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2009年11月02日

キムヨナ選手のジャンプGOE(加点)はなぜ高い?仮説その1

今週は鈴木明子選手が中国大会で優勝というすばらしく嬉しいニュースがありました!
FS117点を見たとき、思わず歓声を上げてしまいました。
次のカナダ大会も頑張ってほしいですね〜。

さて、本来なら鈴木選手のSP、FSの動画を張ってプロトコル書いて〜といきたいところなんですが、GPSも半分終わってちょっと気になることがあるので、今日はGOEについてです。

昨年度キムヨナ選手の単独ルッツに対する加点は大体1点でしたが、今年のエリック杯は1.8もついています。
キム選手はもともと幅や高さがあるジャンプを飛びますし、今年のルッツは去年に比べて入りが難しいとかいうことは、見たところ特にないようです。
ではなぜGOEがこんなにもアップしたのか。
去年とキム選手のジャンプは何が変わったのか。
それは、キム選手のジャンプが変わったわけではなく、GOEの基準自体がキム選手を評価する形に変わったからではないかと思います。

GOEの加点用件は以前のエントリーで書いたように、今年少し変わっています。
例えばジャンプですが、

下記から1〜2個→GOE+1、2〜3個→GOE+2、5〜6個→GOE+3
<<ジャンプ>>
1 ジャンプの踏み切りが、予期せぬ入り方、独創的・ジャンプの入りの難しさが有る。
2 明確なステップやムーブメントからのジャンプ
3 空中姿勢の変化姿勢。ディレイ(回転を遅らせた)ジャンプ
4 充分な高さと充分な飛距離。
5 着氷後の伸びやかな姿勢。創造的な出方や流れ。
6 コンビネーション・シークエンスなども含めジャンプからランディングまでの一連の流れがよい
--------------------------------------(↑従来の基準↑)
7 ジャンプを楽に(たやすく)跳んでいる。
8 音楽の構成との調和。
--------------------------------------(↑新しく追加された基準↑)

キム選手のジャンプは、審判に「楽に飛んでいる」「音楽と調和している」と評価され、昨年よりGOEが高くなったのでしょう。


さて、では他の選手にはこのGOE基準が適応されているのか、というと正直分かりません。
この3試合フリースケーティングで1.1点以上の加点がつくジャンプを飛べた選手が、キム選手を除き誰一人としていなかったからです。
1.0以上のGOEを受けているジャンプをフランス、ロシア、中国と抽出してみましたが、面白いくらい1.0までの加点しかありませんでした。

《GOE1点以上のジャンプ(FS)》
(全部1.0点)
-中国大会-
鈴木 2A+2A+SEQ
ロシェット 3F
ロシェット 3Lo
ロシェット 3T+2S+SEQ
ロシェット 3S
コストナー 2A+2T

-ロシア大会-
マコーケル 2A
安藤 3Lz
ワグナー 2A
ワグナー 3S
ワグナー 3Lo
レオノワ 2A

-フランス大会-
浅田 3A+2T
浅田 3F+2Lo
浅田 3T
中野 2A+2A+SEQ
コストナー 2A+2T
ゲデバニシヴィリ 2A

どの選手もきれいに着氷したジャンプに1.0点が付けられている、と言った感じです(ロシェット選手はちょっと怪しいですが)
これを見て、私はどうしても違和感を感じずにはいられません。

少し前に韓国のイ・ジフィ審判が「あまりにキム選手がすばらしいから、キム選手にだけ新しい採点法が使われるようになった」と解釈できるような発言をしていました。
今回GOEを整理することで、彼女の言う「新しい採点法」がGOEの基準であり、私が懸念するように他の選手にはあまり適応されていないのではないか、と思ってしまいました。
でも「音楽と調和しているか」「楽に飛んでいるか」なんて、他人が意義を申し出て、話し合って結論が出るような基準じゃありませんよね?

どんなにきれいに飛んでも1以上の加点がつかない多くの選手と、着氷するだけで高得点が出るキム選手。
確かにキム選手は幅があり見栄えのするジャンプを飛びますが、その点ばかりを評価する基準が、競技として正しいとはとても思えない。
ただでさえそう思っていたのに、今度は「音楽の調和」「楽に〜」など主観でどうにでもなることを持ち出すなんて。

こんな採点の仕方、点数に差が出て当たり前だと思います。

posted by mark at 13:30| Comment(2) | 2009グランプリシリーズ(GPS) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月26日

ロシア大会 ロステレコム杯結果(女子シングル)|グランプリシリーズ第2戦

FPl.NameNationPointsSPFS
1Miki ANDO
JPN
171.9331
2Ashley WAGNER
USA
163.9752
3Alena LEONOVA
RUS
160.0643
4Alissa CZISNY
USA
158.3024
5Mao ASADA
JPN
150.2865
6Julia SEBESTYEN
HUN
148.5017
7Amelie LACOSTE
CAN
139.3978
8Jenna MCCORKELL
GBR
134.70116
9Oksana GOZEVA
RUS
128.5289
10Katarina GERBOLDT
RUS
117.77910
11Annette DYTRT
GER
109.741211
12Anastasia GIMAZETDINOVA
UZB
108.461012


さて、グランプリシリーズ第2戦は安藤選手1位、浅田選手5位という結果でしたが、安藤選手も少し調子がよくなさそうでしたね。(フリーで3連続はいらなかったし・・・)
やはり急にショートプログラムを変えてハードに練習して疲れてしまった、ということもあるのでしょうか?

浅田選手は今回トリプルアクセルを一度も決めることができませんでしたね。
このことは連戦ということもあり、調子を合わせるのが難しかったのだろうと、私はあまり心配していません。
「練習ではできているのに・・・」とテレビで言ってますが、正直練習の3Aではダウングレード確実といえるくらい足りていませんでした。
本当、疲れていたんだと思います。

ただ、一つどうしても浅田陣営に疑問を感じざるを得ないのは、ショートのリカバリーができなかったことです。
3Aが失敗して2Aになるということは、事前にいくらでも想定がつくはずです。にもかかわらずに、リカバリー策を用意していなかった。
「用意していたけどできなかった」ということも考えられないわけではないですが、浅田選手の様子からするに本当に「用意していなかった」のだと思います。

浅田選手のショートプログラムの2A(一番最後のジャンプ)は加点を稼ぐ為に入りが非常に複雑になっており、難易度の高いジャンプを飛ぶのは非常に難しい状態となっています。
なのでもしリカバリーできるとしたら
3A-2T→st(ステップ)3F→2A

2A(3A失敗)→3F-2Lo(or 3Lo-2Lo)→st(ステップ)3T(or 3F)
という形であり、2Aの前の動きを帰る必要が出てきます。
これはぶっつけ本番でできる程簡単なことではないとおもいます。
タラソワコーチはコーチであるだけでなく、振付師でもあります。
彼女にはリカバリーの振り付けがいくらでも用意できたはずなのです。

しかしそれができずに、浅田選手はSP51点という点数を突きつけられ、大きくショックを受けたことでしょう。
(浅田選手に甘すぎな考えかもしれませんが、選手のメンタル管理も、陣営の仕事のうちだと思います)

海外の考え方では「リカバリーくらい選手本人が考えて練習しておくべき」という方針なのかもしれません。
しかし、これがモロゾフコーチだったら?絶対策を用意しておいて、こんなことは起こらなかったと思います。
もしそういう方針なのであれば、頭脳的な演技を苦手とする選手にはタラソワコーチは「合っていない」から、モロゾフコーチのようなコーチを選ぶべきなのでしょう。

今朝の新聞では浅田選手は全日本でも3A3本で望むといっていますが、これが吉と出るか凶と出るか・・・。
正直今の浅田選手は、3Loの回転不足の厳格化で3Loを奪われかけているし、3Fの回転の開始も遅くなって(フルブレード対策の副作用??)回転不足気味に加え後ろに3回転を付けられる状態じゃない、3T・3Sは苦手、3Lzは完全に抜いているなど武器をことごとく奪われてしまっている状態です。たとえ3Aが決まったとしても、点が出ない可能性があります。 そしたら今度は「3A成功したのにどうして?!」となり、結果的に良いイメージを持ち直すことはできない。
ならばこの辺で一度全ての3回転を一から見直して、「ノーミス」で試合をこなせるようにして自信を取り戻す方針に帰るべきだと思います。

またオフシーズン中あそこまで完成しかけていた3Lzを捨ててまで挑んだ3Aが武器にならないとなると、「何の為に練習してきたの?何の為に頑張ってたの?辛い練習に耐えた日々は無意味だったの?」状態に陥り、精神的に本当に辛くなってきてしまうんじゃないかと思います(あくまで想像ですが)。

彼女に今必要な言葉は「なぜ3Aを飛べなかったの?」と問い詰めることではなく、前向きなねぎらいの言葉だと思います。

どうもそこらへんをタラソワコーチは分かっていないのではないかと、その点に不安を感じてしまうのです。

posted by mark at 11:30| Comment(2) | 2009グランプリシリーズ(GPS) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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